庚寅の性格
庚は陽の金で、斧や刀、硬い鉄にたとえられます。その庚が座る寅は陽の木で、一年の中では立春を迎えた最初の月、森の木々が勢いよく芽吹きはじめる季節にあたります。五行(ごぎょう。木・火・土・金・水の五つの要素)では金が木を切り開く関係(金剋木)にあるため、庚寅は「早春の森に分け入り、生い茂る木々を切り開いて新しい道をつくっていく斧」の姿をしています。自分が試練を受ける側ではなく、自ら環境に働きかけて道を切り開く側に立つ日柱です。
庚寅を上下に分けると、上の庚が日干(にっかん。本人を表す字)、下の寅が日支(にっし。日干が切り開いていく場所)になります。寅の中には、蔵干(ぞうかん。下の字の中に含まれている要素)として戊・丙・甲が収まっています。日干の庚から順に見ると、余気(よき。季節の名残の気)の戊は偏印(へんいん。機転や型破りな発想を表す星)、中気(ちゅうき。前後をつなぐ気)の丙は偏官(へんかん。勇敢さや決断の速さを表す星)、本気(ほんき。その支の中心となる気)の甲は偏財(へんざい。人やお金を大きく動かす力や商才を表す星)にあたります。中心にある偏財から、庚寅の人は人を巻き込み、物事をダイナミックに動かす力に恵まれています。
自座の十二運(じゅうにうん。日干の勢いを、人生の節目になぞらえた十二の名前)は絶です。絶は何もかもなくなることを意味するのではなく、それまでの流れを断ち切り、まっさらな状態から新しく始める段階を表す名前です。庚寅の人は、過去にこだわらず、思い切って方向を変える決断ができます。新しい分野に挑むときのためらいの少なさは、この絶の性質から来ています。
天干(てんかん。干支の上の字)の庚と地支(ちし。干支の下の字)の寅は、陰陽でいえばともに陽です。行動が外へ向かいやすく、考えるより先に動き出し、周りを引っ張っていくタイプです。
中気の偏官は、困難な場面での勇敢さとして表れます。周りがためらうような状況でも、自分が先頭に立って決断を下し、状況を打開しようとします。余気の偏印は、行き詰まったときに思いもよらない別の道を見つける機転として働きます。
一方で、斧は振るう前に狙いを定めなければ、必要な木まで切ってしまいます。庚寅の人も、勢いに任せて決めてしまい、あとから周りとの調整に追われることがあるでしょう。動く前に、何を残し何を変えるのかを一度整理する習慣が、その行動力を生かす鍵になります。
庚寅の恋愛
恋愛での庚寅の人は、好きになると積極的にアプローチする情熱的なタイプです。待つより自分から動き、気持ちをはっきり伝えます。
偏財の働きから、相手を楽しませることが上手で、デートの計画を立てたり、新しい体験に誘ったりと、関係を明るくリードしていきます。
気をつけたいのは、勢いで物事を決めてしまいがちなことです。二人の将来に関わることまで自分だけで決めてしまうと、相手は置いていかれたように感じます。大事な場面では、相手の考えを聞いてから一緒に決めるひと手間を加えると、頼もしさと思いやりが両立した関係になります。
庚寅の仕事
仕事では、新しい事業や市場を切り開く役割で力を発揮します。偏財の商才と偏官の決断力から、営業や事業の立ち上げ、交渉、経営に近い立場などに向いています。
絶の性質は、既存のやり方にとらわれず、ゼロから仕組みをつくる場面で生きてきます。前例のない仕事ほど、庚寅の人の思い切りのよさが評価されるでしょう。
人を巻き込む力も大きな強みです。目標を明確に示し、自ら先頭に立って動くので、周りの人も自然と動き出します。チームを率いて大きな仕事を動かす役割で本領を発揮します。
課題は、切り開いたあとの手入れを後回しにしがちなことです。新しい道をつくったら、それを整え、続けていける仲間に引き継ぐ。その流れを意識すると、庚寅の人が切り開いた道は、長く多くの人に使われるものになっていきます。