壬寅の性格
壬は陽の水で、山々から集まった水が勢いよく流れる川や大河にたとえられます。その壬が座る寅は陽の木で、一年の中では立春を迎えた最初の月、森の木々がいっせいに芽吹き始める季節にあたります。五行(ごぎょう。木・火・土・金・水の五つの要素)では水が木を育てる関係(水生木)にあるため、壬寅は「早春の雪解け水を集めて流れ、森の新芽を一つひとつ潤していく川」の姿をしています。自分の力を惜しみなく注いで、周りの命を育てていく日柱です。
壬寅の上の字である壬は日干(にっかん。その人自身を表す字)、下の字である寅は日支(にっし。日干が潤していく森)と呼ばれます。寅の内側には、蔵干(ぞうかん。下の字の中に含まれる要素)として戊・丙・甲の三つが収まっています。日干の壬を基準にすると、余気(よき。前の季節の名残の気)の戊は偏官(へんかん。決断力や行動力を表す星)、中気(ちゅうき。前後をつなぐ気)の丙は偏財(へんざい。人とのつながりや物を動かす力を表す星)、本気(ほんき。その支の中心となる気)の甲は食神(しょくじん。人を育てる力やおおらかな楽しみを表す星)にあたります。中心にある食神から、壬寅の人は人の成長を見守り、伸ばしていくことに大きな喜びを感じます。
自座の十二運(じゅうにうん。日干の勢いを、人の一生の段階にたとえた十二の名前)は病です。壬寅の病は体の不調を表すものではなく、勢いが穏やかになるかわりに、感受性や想像力が深まっていく段階の名前です。壬寅の人は、明るくおおらかに見えて、実は人の痛みや悲しみに敏感で、困っている人を見ると放っておけない情の深さを持っています。
天干(てんかん。干支の上の字)の壬と地支(ちし。干支の下の字)の寅は、陰陽ではどちらも陽で、行動が外に向かいやすい組み合わせです。思い立ったら人に会いに行き、新しい場所にも気軽に足を運びます。
病がもたらす想像力は、先のことを思い描く力としても働きます。壬寅の人は、今はまだ小さな芽を見て、それが大きく育った姿を想像できる人です。人の可能性を信じ、まだ誰も気づいていない才能に光を当てることができるでしょう。
一方で、注ぐことに夢中になるあまり、自分の中の水が枯れていることに気づかない場面もあります。人を育てる力が強いからこそ、自分を休ませ、潤す時間を意識して持つことが大切です。
壬寅の恋愛
恋愛での壬寅の人は、相手の成長を応援し、支えることに喜びを感じるタイプです。相手の夢や目標を自分のことのように大切にし、そのために力を貸すことを惜しみません。
偏財の働きから、出会いの場で人と打ち解けるのが上手で、明るい会話で相手の心をつかみます。病の感受性は、相手の小さな変化や疲れに気づく細やかさとして表れるでしょう。
気をつけたいのは、世話を焼きすぎて自分が疲れてしまうことです。相手のためにと思って先回りしすぎると、相手が自分で成長する機会を奪ってしまうこともあります。見守る時間と手を貸す時間のバランスを意識すると、互いに育ち合える関係になります。
壬寅の仕事
仕事では、人を育てたり支えたりする役割で力を発揮します。食神の育成力と偏財の人脈から、教育や指導、人材の育成、カウンセリングに近い相談業務、企画や新しい事業の立ち上げなどに向いています。
偏官の決断力は、新しいことを始める場面で生きてきます。まだ形になっていないアイデアにも可能性を見いだし、思い切って最初の一歩を踏み出せるでしょう。
病の想像力は、相手が求めているものを先回りして察する力にもなります。お客様や部下が言葉にしない要望に気づき、先に手を打てるので、周りから頼りにされます。
課題は、多くの人や案件に力を注ぎすぎて、一つひとつが中途半端になることです。注ぐ先を絞り込み、自分の力を集中させる場所を決めると、壬寅の人の育てる力はより大きな実りを生み出していきます。