甲寅の性格
甲は陽の木で、森の中でも抜きん出て高く伸びる大樹にたとえられます。その甲が座る寅も木で、一年の中では立春を迎えた最初の月、森全体が目覚めて新しい枝葉を広げ始める季節にあたります。天干(てんかん。干支の上の字)と地支(ちし。干支の下の字)に同じ木の五行(ごぎょう。木・火・土・金・水の五つの要素)が並ぶため、甲寅は「早春の森の中で、ひときわ高くまっすぐにそびえる大樹」の姿をしています。周りの木々とともに森をつくりながらも、自分の力で天を目指して伸びていく日柱です。
甲寅の上にある甲が日干(にっかん。その人自身を表す字)、下にある寅が日支(にっし。日干が根を張る森)です。森の土台となる寅には、蔵干(ぞうかん。下の字の中に含まれる要素)として戊・丙・甲が収まっています。日干の甲を基準にすると、余気(よき。前の季節の名残の気)の戊は偏財(へんざい。人やお金を動かす力や面倒見のよさを表す星)、中気(ちゅうき。真ん中の時期の気)の丙は食神(しょくじん。おおらかさや人を楽しませる力を表す星)、本気(ほんき。その支の中心となる気)の甲は比肩(ひけん。自立心や自分の道を進む強さを表す星)にあたります。中心が比肩であることから、甲寅の人は人に頼らず、自分の実力で道を切り開こうとする強い意志を持っています。
自座の十二運(じゅうにうん。日干の勢いを、誕生から眠りまでの段階にたとえたもの)は建禄です。建禄は社会に出て自分の力で稼ぎ、一人立ちする時期を表し、実力に裏打ちされた安定した強さを示します。甲寅の人は、地に足のついた自信を持ち、着実に自分の地位や居場所を築いていきます。
天干の甲と地支の寅は、陰陽でもどちらも陽です。行動が早く、思い立ったことはすぐに実行に移します。人前で堂々と振る舞い、自然と周りから一目置かれる存在になるでしょう。
余気の偏財と中気の食神は、自立心の強さの中にある、人への温かさを表しています。頼られると放っておけず、後輩や仲間の面倒を見ることに喜びを感じます。おおらかな人柄で、周りに自然と人が集まってくるでしょう。
一方で、大樹がまっすぐ伸びるあまり、周りの木々の日差しを遮ってしまうことがあるように、甲寅の人の強さは、ときに周りを圧倒してしまうことがあります。自分の考えを押し通す前に、周りの意見に耳を傾けることで、森全体を育てる大樹になれます。
甲寅の恋愛
恋愛での甲寅の人は、まっすぐで、相手を守ろうとする頼もしいタイプです。好きになると気持ちをはっきり伝え、駆け引きをせずに誠実に向き合います。
食神のおおらかさから、一緒に過ごす時間を楽しいものにしようと努め、相手を笑顔にすることに喜びを感じます。
気をつけたいのは、比肩の自立心から、自分のペースや趣味を優先しすぎてしまうことです。一人でいる時間を大切にするのは良いことですが、相手が寂しさを感じていないか、ときどき気を配りましょう。二人の時間を意識してつくると、森の木々のように支え合える関係が深まります。
甲寅の仕事
仕事では、自分の実力で道を切り開く役割で力を発揮します。建禄の安定した実力と比肩の自立心から、独立や専門職、チームのリーダー、新しい分野の開拓などに向いています。
偏財の面倒見のよさは、部下や後輩を育てる場面で生きてきます。自分の経験を惜しみなく伝え、人を引き上げることができるので、慕われるリーダーになれるでしょう。
食神のおおらかさは、職場の雰囲気を明るくする力にもなります。厳しい場面でも余裕を失わず、周りを安心させることができます。
課題は、自分のやり方にこだわり、人に任せるのが苦手なことです。仲間を信頼して役割を分けると、甲寅の人一人の力が、チーム全体の大きな成果へと広がっていきます。