乙卯の性格
乙は陰の木で、しなやかな茎を持つ草花にたとえられます。その乙が座る卯も木で、季節でいえば春のさなか、野山が若葉と花でいっぱいになる頃にあたります。天干(てんかん。干支の上の字)と地支(ちし。干支の下の字)に同じ木の五行(ごぎょう。木・火・土・金・水の五つの要素)が重なるため、乙卯は「春の野原一面に咲き広がり、風にそよぎながらも根を張り続ける草花」の姿をしています。一本一本はしなやかでも、群れをなして咲くことで、たくましい生命力を見せる日柱です。
乙卯の日干(にっかん。本人そのものを表す字)は上の乙、日支(にっし。日干と同じ草花が広がる野原)は下の卯です。草花の根が広がる卯には、蔵干(ぞうかん。下の字に収まっている要素)として甲と乙の二つがあります。日干の乙から見ると、余気(よき。季節の名残の気)の甲は劫財(ごうざい。負けず嫌いや仲間と競い合う力を表す星)、本気(ほんき。その支の主となる気)の乙は比肩(ひけん。自分らしさを貫く強さや自立心を表す星)にあたります。自分と同じ木の星だけで足元が満たされているため、乙卯の人はやわらかい物腰の奥に、自分を曲げない強い芯を持っています。
自座の十二運(じゅうにうん。日干の勢いを、人の一生の段階になぞらえた十二の名前)は建禄です。建禄は一人立ちして自分の力で生きていく時期を表し、着実な実力と安定感を示します。乙卯の人は、しなやかに周りに合わせながらも、自分の足でしっかりと立ち、自分の居場所を築いていきます。
天干の乙と地支の卯は、陰陽でもそろって陰です。前に出て目立つより、周りと調和しながら自分らしく咲くことを好みます。どんな環境にもなじめる柔軟さは、乙卯の人の大きな魅力です。
ただ、そのしなやかさは、弱さとは違います。風に吹かれても折れずに元の姿に戻る草花のように、乙卯の人は困難にぶつかっても、時間をかけて立ち直る粘り強さを持っています。周りが思う以上に、打たれ強い人なのです。
余気の劫財は、仲間とともに伸びていく力として表れます。一人で頑張るより、気の合う仲間と励まし合いながら進むほうが力を発揮できるタイプです。その一方で、仲間の中でも負けたくないという気持ちを秘めていて、それが成長の原動力になっています。
乙卯の恋愛
恋愛での乙卯の人は、自然体で、相手と対等な関係を望むタイプです。無理に相手に合わせるより、互いに自分らしくいられる関係を大切にします。
比肩の自立心から、恋愛の中でも自分の時間や友人との関係を大切にします。相手に依存しすぎず、それぞれの世界を持ちながら寄り添う関係を心地よく感じるでしょう。
気をつけたいのは、合わせ上手に見えて、実は譲れない部分がはっきりあることです。表面上は相手に合わせていても、内心では納得していないことがあると、いずれ不満が積み重なります。自分の気持ちを素直に伝えると、互いを尊重し合える関係が長く続いていきます。
乙卯の仕事
仕事では、仲間と協力しながら、自分らしさを発揮できる分野で力を発揮します。比肩と劫財の働きから、教育や保育、園芸や自然に関わる仕事、チームで進める企画、地域に根ざした仕事などに向いています。
建禄の安定した実力は、長く続けるほど評価される仕事で生きてきます。派手さはなくても、着実に経験を積み重ね、信頼される専門家になっていくでしょう。
周りとなじむ柔軟さは、チームの潤滑油としての役割にもつながります。意見の違う人たちの間に立ち、場を和ませながら話をまとめることができます。
課題は、仲間との競争心が強く出すぎると、協力関係がぎくしゃくすることです。競い合う気持ちを自分の成長に向け、仲間の成功も一緒に喜べると、乙卯の人は野原いっぱいに咲く花のように、大きな力を発揮していきます。